偽装ドラムとメアリー・ポピンズ
後悔って、後でするもんやなかったっけ。
感情の芽ぇが、生えてくるノキから悔いる。
怒りながら笑いながら、がっかりしながらキラキラしながら、後悔する。
てかむしろ、後悔がまずそこにあり、そこからやおよろずを始めてる。
エスカレーターの刻む、一定でインダストリアルな5拍子が、唐突にブレる。
赤道のごときぶっといベルトを腰に結い付けた女の子が、
その健康的で帝国的な白い肉を、たんぷりとパンツにのせ
手すりに飛び乗ったのだった。
だってお姫様だもの。
3年分の記憶が、鳩の糞になって飛んでいくくらい酔いどれた彼女は、
おそろしく美しい歌声で”SOUND OF MUSIC” を歌い始めた。
周りには、2人の男と1人の女。
ダブルデートの壮絶に、杜撰なエンドロール。
ひきつづき ”SINGIN ‘ IN THE RAIN”
雨に打たれるのは君ではなく
路上で、一人打ち上げ花火大会(口から)を開催するであろう
君の晴れ姿の観客たる、彼らなのです。
自分が 『ごめん』 言ぅた世界が、
振り返りざま 『ごめん』って言う。
どっちにも凄まじく感情がこもってない。