オンガク

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口をひらけばもう音のことしか話さないし

アタマん中は365日24時間なにがしか音が鳴ってる。

 

おもしろくないニンゲン。

脳みそのあらゆる部署がなんらかの形で音にイッチョ噛んでるので、

生活やコミュニケーション能力や恋愛や季節感や大事な記憶が、

ガンガン欠落していく。

 

カラダ固定で足こそばされたが如く、ふにゃふにゃ笑けてくる。

やーぁーめーぇーてーぇーくーぅーれーぇーよーぅー

うきゃっ

 

『なぁそれ、ただのアタマでっかちやて。』

まぶたの裏あたりでダンディーな声。

 

覚悟せなあかんのは

覚悟という名前が必要な脆弱なタマシーしか持ってないからだ。

 

なんやこれ!スポ根か!古いぞ!このヴィンテージっ子!あいまい!あいまい一番!

と今風を気取ったところで、

 

『年とりゃ楽になるよそーゆうのんは』

とかテメエの過去をこちらの未来になすりつけられたところで、

 

求めてた景色は、馬の目前にぶらさげられたニンジンくらいのとこにあっさり拡がる。

そこにあるのがわかってるのに鼻先が着地しないとやっぱり、フがっフがっってなる。

 

全部忘れてしもて、ええ。

ぃぇーい。

フガっっっっっ。