som R fail

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またやられた。

目を覚ますと、身につけているもの全てが既に ” 一時間前 ” だった。

 

夏時間(+1)。

 

気がつくともう街中の時計は何くわぬ顔をして、

新しい月日を世界に定義する。

 

置いてけぼりにされた昨日までの”今”は、まるでなかったことに。

腕時計を一時間カチっとすすめる時、それと気づかぬふりをして

世界の一番触れてはならない部分にアクセスしてしまったような、居心地の悪さ。

 

どっかのおっさんが、何の謂れもなしに空を飛んでも

「ああ、そういえばそうか」

とか納得してしまいそうで怖い。

 

当たり前って、原体験を含むとんでもなく軽薄な理解を礎にしてて、

あるべき名前もあるべき姿も、あったもんじゃない。

 

もしかしたら、明日には空を飛べるのかも知れない。

 

世界の上っ面をはねて、

今日も見ず知らずの小さいおっさんが、世界を紡ぐ。