compressor

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気持ちが、腹の調子悪いときの便ばりに飛び散るので

いろんなことがちらばる。

 

机の上にはラップトップと音楽機材とパレットとスケッチブックと巻き尺、

ドリルにマイナスドライバーにコーヒーカップ

ジッポのオイルに拾った石にカメラに語学の教科書

地図にCDプレイヤーにリモコン、独和・和独・英和・和英辞書と資料、電卓。

 

民俗学者のじいちゃんの机は、いっつも古くて汚い本と原稿が山積みになっていた。

誰かが片付けるたび、毎度じいちゃんは激怒してた。

 

いま机の上を片付けられると、確かに困る。

しかしいずれにせよ、なにかしようとすると必ず、「探す」から始めなきゃならない。

じゃあ、なにを困る。

 

2001年に東京で録ったものに、ドイツで3年かけて手を入れた音が、

スケッチブックの下から、ヘシャげて出てきた。

 

ちらかった気持ちは、

それが本来あるべき形を直視することへの尻込みなのかもしれない。

 

なにかの拍子に、自分が自分自身なんかではありえないことを確認してしまう未来への反動。

 

ラップトップに差し込んで、へしゃげかけた音を再生。

自分の音を聴いて、泣く。

 

二の足を踏んでる場合じゃない。

よし、明日にしよう。(一の足を踏む)